イタリアの雑誌 THE PASSENGER(11/22発売号)の依頼で選曲した「1960年代以降の日本のロック/ポップ・ミュージック 12曲」を公開します! 極めて個人的なリストになりました。
<プレイリスト>
- お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。/遠藤ミチロウ(1984年)
- レプリカント・ウォーク/フリクション(1988年)
- 鉄風、鋭くなって/ナンバーガール(2003年)
- Strobolights/スーパーカー(2001年)
- 犬と猫/中村一義(1997年)
- ゆらゆら帝国で考え中/ゆらゆら帝国(2001年)
- 東京/くるり(1997年)
- 新世紀のラブソング/アジアン・カンフー・ジェネレーション(2010年)
- 氷の世界/井上陽水(1973年)
- 知識を得て、心を開き、自転車に乗れ!/ニューエスト・モデル(1991年)
- phase 3/THA BLUE HERB(2007年)
- サラウンド/クラムボン(2001年)
<コメント> 私は、いったいどのような「日本のポップ・ミュージック」が、代表的なものとしてイタリアで認識されているのかを知らない。ただ、おそらくこのプレイリストに挙げた楽曲、アーティストは、ほとんど「重要視されていない」のではないか、とは直感する。なぜならば、革新者とはほぼ常に「マス(大衆)に貢献しない者たち」だからだ。彼らは、マスを拒絶して、個に奉仕する。日本の、それぞれの時代時代の個(いま生きている「僕」や「君」)に、魂に刻まれるものを届けた。もちろん例外はある。このプレイリストのうち、井上陽水は日本のポップ・ミュージック界の神々の一人と言っていいし(すなわち「超」の付く成功者だ)、アジアン・カンフー・ジェネレーションこそは現在進行形の日本のロック・ミュージック界を牽引しつづけている(彼らの模倣者たるバンドの数は、数え切れない)。しかし、それらと対等に、他のミュージシャンが、グループが存在する。あるいは存在した(もう解散してしまった)。彼らに共通することは、彼らは日本のリスナーという「『個』の、心の中の風景」を変えたということだ。そうした風景変革者こそが真の革新者なのだ。
*また、これに加えて「1960年代末以降の日本の素晴らしい小説、映画、アルバム(ポップ/ロック)」をひとつずつ挙げています。
- 小説:『千年の愉楽』中上健次(1982年)
- 映画:『台風クラブ』相米慎二(1985年)
- アルバム:『ユニバーサル・インベーダー』ニューエスト・モデル(1992年)
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