【400字以内小説】#14 クリスマス・ストーリー version 2

「クリスマス・ストーリー version 2」

私は悩んだのだが、それはこんな出来事があったからだ。サンタクロースが来たのだけれど、すぐにはプレゼントを渡さない。「二種類あるんで、ホーホーホー、どっちかを選択しなさい」と私に二者択一することを迫った。そのサンタはじつに大きな袋をしょっていた。「第一の贈り物。それは袋です。この大きな袋のなかには、おんなじように大きな袋が入っているのです。さて第二の贈り物。それは立派なイタリア車です。しかも偽造免許証つき。さあ、どっち?」と尋ねられた。私は、まあ当たり前のことなのだけれども、第一のプレゼントには何が入っているんですか? と尋ね返したのであるが、するとサンタはにやにやにやっとして、ホーホーホー、の笑い声だけでワム!の『ラスト・クリスマス』を奏でるのだった。えー、やめろよ。どうしよう。私は、ものすごく悩んだ。という夢を見た。

2020/12/24