脱稿また脱稿。と、こう書きだしただけでハッピー感が募りますが、あなたはどうですか。僕はさすがに元気です。ふたつの原稿をしあげたのですが、まずは文芸誌「群像」に連載している小説の来月分です。この小説のタイトルは、えー、ここに記せません。コードネーム的に『木木木木木木』としておきます。木、が6本積み重なった漢字(そんなものは存在しないが、誌面には存在しています)がタイトルで、読みは『おおきな森』です。ちなみに、この漢字をどう英語にしたらいいのかな、と起筆前に考えて、小文字の f が連なった the fffffforest には視覚的に『木木木木木木』があるだろう、とか、勝手に英単語の造語?もしました。表音文字で表意文字をやってしまった、というか。それはさておき『木木木木木木』は、連載初回が300枚一挙掲載だったので、来月の、連載第5回にしてその枚数は500枚ほどに達しています。『ミライミライ』って総枚数が730枚なんだよなあ……。しかし、だから『木木木木木木』がそのうちに完結して本になるかというと、そういうことは全然なくって、連載はだいたい2年ほど続けそうで、つまりメガな小説になります。系譜としては、『アラビアの夜の種族』と『聖家族』のラインにあります。ちなみに『ミライミライ』は『ベルカ、吠えないのか?』の系譜だなあと、読者の声(=反響)も聞きつつ、自分でもそのように思います。で、『木木木木木木』なんですが、なにしろ文学者が多数登場する小説で、書きながらマルケスとボルヘスとコルタサルと坂口安吾と宮沢賢治と小林秀雄は、どんどん再読、未読のものはガリガリ初読、と進めていかなければならないので、ここのところの読書量がとんでもないことになっています。俺はいつ寝ているのか? いや、ちゃんと寝ているのです。人間、夜は寝ないと。などと健康も維持して、『木木木木木木』はぶじ脱稿! 他にどんな原稿をあげたのかというと、これは3月24日に三鷹 SCOOL で行なう「フルカワヒデオ、戯曲を読む!」シリーズ第3回の台本です。カミュの『カリギュラ』を、自分以外に、女優、画家、映画監督も出演させて、どう読むのか? それを構築するのに台本がいるのです。台本の内側にはカミュの『カリギュラ』という戯曲が内包されるのです。かなり、相当、とんでもないことになりました。いやー、やれるのかな? いや、やるんだよ、俺は。明日はリハーサルもやるんだよ、と書いている3月16日の前日、つまり2018年3月15日には、同じ SCOOL にて安藤礼二さんと佐々木敦さんと『ミライミライ』をめぐって鼎談! 安藤さんが圧倒的な熱量で、左側にアンドウレイジ右側にササキアツシと、批評2軍神に挟まれながら生批評されて、うわー! 凄いエネルギー充填されました。この20周年サイトの裏のテーマでもあるのですが、俺はもう腐らんぞ! アウトサイダー(=埒外)上等じゃん! ということで、愛です。その後、居酒屋での打ち上げで、佐々木さんからとあるオファーを受けて、それをどうするか、考えています。2019年。うーん、うーん。
20180316