痩せました。普通だったら「イエー!」と言いたいところですが、よもやイタリア旅行で激痩せするとは……。しかしながら、可能なかぎり絶食を続けて、腸を休めることで、あらゆるイベント等を乗り切れました。ベネチアの朗読+トークの翌日、今度はローマに移動して、そこでも同じ構成のイベントに出たのですが、この日などは朝の7時に少しだけパンを齧って(……齧っただけでトイレに駆け込む結果となります……)、それから、18:30から開演。何も食べずにこの開演を迎えて、しかも2時間のイベントをこなす、という、「脳に俺ぜんぜんカロリーないぜ」状態でしたが、ちゃんと話せるものだなあと、妙に感心しました。とりあえず、イタリアでは休日をだいたい2日作って、翻訳家のジャンルーカ・コーチさんの案内でローマのあちこちを回りました。入った書店で、どこでも『サウンドトラック』イタリア語版が置いてあるのに、感動しました。あと、この休日中に発行されたイタリアの新聞に、大きな『サウンドトラック』評が出たり……信じられない……ありがとうイタリア。いい人たちといっぱい会えてよかったです。文学談義が多かったな。あと、なんといっても最高だったのは、コーチさんに連れて行ってもらった(というか、こちらからもリクエストした)ある場所で、とんでもないアイディアが生まれたことです。知ってる人も若干数いるから書いてしまいますが、僕は、この夏〜秋にも戯曲を執筆します。その核が、どーんと来ました。うれP。って「ウレピー」とか書くなよ俺。そうだ、こうしてイタリアの旅で収穫が多かったことは、やっぱり、たとえば伊語版『サウンドトラック』にイタリアの読者のための書き下ろしの後書きを提供したりとか、そうした、こちらからもなにか、ささやかなんだけれども力を尽くしているようなところも、やっぱり作用しているのでしょうね。あと訳文がやっぱり素晴らしいらしい。イタリア語、読めたらよかったんだけど。そういえば翻訳と言えば、このサイトのオープンの前月のことだったので情報を記し落としているのですが、僕の『中国行きのスロウ・ボートRMX』(文庫版タイトルは『二〇〇二年のスロウ・ボート』)の英訳 “Slow Boat” で、訳者のデイヴィッド・ボイドさんが Japan-U.S. Friendship Commission Translation Prize を受賞されました。僕が賞をもらったわけではないのですが、僕の本が賞をもらって、翻訳家がその功績を賞揚されて、ほんと、ほんと嬉しいです。本は、巣立つものだな、と(遠い目をしながら)思います。うれP。さて飛行機に乗る頃には、どうにか食事も摂れるようになりました。で、時差ぼけですが、ないです。なにしろベネチアで、1日12時間、13時間とベッドにいたので、なんかボケてない……。そのボケてない状態のまま、昨日(4月12日)は神楽坂の la kagu でいとうせいこうさんと対談。タイトルが『ニップノップの初期衝動』。名曲「ヒップホップの初期衝動」を5回ほど聞いて会場に向かい、いとうさんと楽しい初対談ができました。楽しいというか、深かった。よかった。みんな「よかったです!」と言ってくれて、よかった。あと、読者の一人が、「『ミライミライ』は、最高傑作でした。それを言いたいから、今日、ここに来ました」と言ってくれて、感動しました。サンクス。俺パンクス。
20180413