【400字以内小説】#16 文学か魚介か

「文学か魚介か」

そのレストランに入るのは倍率的に難しかった。が、入れた。受付を終えて、いきなり示されたのは見開きのメニューだった。左側には「カズオ・イシグロ」とあり、右側には「カツオ・ノドグロ」とあった。ノドグロ……赤ムツのことだ。大変に美味しい魚だ。うわあ、どっちを選んだらいいんだ!

2023/01/17