【古川日出男の番外地】#2 ペスト

「ペスト」

X区X丁目・番外地 ここ数日、とは本年3月末のどこかから4月1日の朝である本日にかけて、ということだが、「東京(首都圏)は番外地化するのか?」と考えている。そしてアルベール・カミュの小説『ペスト』がふたたび世界でベストセラーとなってしまったなと考えている。私はいま現在、文芸誌「新潮」にて連載している『曼陀羅華X 2004』のその連載の初回から、この小説『ペスト』をこっそりと作品に紛れ込ませていた。3月


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【400字以内小説】#11 自慢合戦

「自慢合戦」

私は著名な映画監督と会う。その場で「この人は自分のソウルメートに違いない」と勘違いした私は、じつは私は3カ月で300近いアイディアが浮かんでしまい、とても小説には仕上げられそうにないので、そのうちの298のアイディアをあなたにあげたいと言う。映画監督はとても嫌な顔をする。それから撮影用のカメラを私に向けて、「じゃあ話して。1分間に1個のアイディアで、10分間だと10本ぶん。1時間に60本だから、298本ならば5時間……弱?


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【400字以内小説】#10 質問に対する答え2020

「質問に対する答え2020」

「あなたはクローン犬を愛せますか?」と質問されたのでこう答えた。 「いやあ、先日ね、ラップトップ型のコンピュータが壊れちゃいましてね。電源アダプタにつないでも、バッテリーがどうにも充電できんのです。それで、調べてもらったところ、基盤がガッツリやられておった。お陀仏だったのです。仕方がないですねえ。もちろん修理に出しましたよ。基板そのものの交換なんですから、これ、消費税込みで96,800円しました。しかしピ


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