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本流探索

わが四半世紀の自著10冊

作家デビュー25周年の1年間を通過した数日後、私は仕事部屋の棚をいじった。27年め以降の作品群(それらはまだ生ま


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の、すべて、のほんの少し #02

[  ]の、すべて

『の、すべて』の最初の楽章の、その基調とはいったい何か? これは「第一楽章『恋愛』」との扉を具えたパートであることから容易に察せられるように、恋愛小説であること、である。私は前作(『曼陀羅華X』)の刊行時から、「次作は軽やかな作品を発表したい」うんぬんと公言していて、たとえばそういうのは通信社のインタビュー記事などで活字になっていたのだが、その〈軽やかさ〉の体現がこの『の、すべて』の


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サマーバケーションEP EPサイズの解説

構造というもの

夏になると、本当にありがたいことに文庫の『サマーバケーションEP』に重版がかかることが多い。わずかな部数だけれども、こういう瞬間はひたすら純粋に感動する。今年もそうなったので、短い解説をここにアップする。つまりEP(45回転のレコード盤。シングル用)サイズだ。 この『サマーバケーションEP』は、全部で36章から成っている。全部、主人公の〈僕〉の語りである。ただ、じつは奇数章と偶数章


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ベルカの頃

2005年4月

これは『ベルカ、吠えないのか?』が刊行されるのに前後して、2005年4月に、ある媒体に掲載されたセルフ・レビューである。原稿にはいっさい手を加えていない。数字も、漢数字をアラビア数字には換えないでおく。ちなみにアンダーバー(_)に挟まれた文字、フレーズには傍点が振られる。脳内で変換してほしい。 *  今度、九作めの小説を上梓することになった。第一作を発表したのは一九九八年だか


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