曼陀羅華AからZ #03

感染爆発に見舞われるI以降からQ:運命

私の『曼陀羅華X』で、ちゃんとした名前が付けられて登場する人物(や動物)は相当に限定されている。啓という子供がいて、サンという犬がいる。が、その他にはいないと言ってよい。主要な語り手たちはみな、ただ単に「私」だし「わたし」だし「ワタシ」といった自称で話していて、かつ、それぞれの本名というのを決して明かすことがない。 ただし最初からそうであったわけではない。私


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曼陀羅華AからZ #01

始まりのAからFあたり:数字

私の小説『曼陀羅華X』は、単行本版は原稿用紙に換算すると、ちょうど770枚のボリュームである。それが「多いか」「厚いか」は読者の判断にゆだねる。私としては、今回の著作は「枕にはならないよ」と言える(ちなみに鈍器にもならない)。ところで雑誌掲載時・連載時には、この小説はどれほどのボリュームがあったか? 私は単純に、文芸誌「新潮」に入稿したすべての原稿を連結して、ダブったタイト


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